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当時(1977〜78年)の京都では観光スポットに空き缶が散乱し、その清掃・美化を進めていたボランティアの人たちが声を上げた。
行政も「デポジット制度」の導入を基礎に「美化条例」をつくろうとしたため、大きな社会的関心を呼んだ。 空き缶のポイ捨てを減らそうというものではなかった。
飲料缶などの使い捨て容器をつくりっぱなし、売りっぱなしにする事業者の責任を問いつつ、私たち市民も使い捨て文化を見直そうという、当時としては画期的な運動だったといえる。 当時(78年)でも飲料缶の年産量は、スチール缶が33.3万トン(74億缶)、アルミ缶が3.69万トン(18億缶)あった。
全国で90億個もの飲料缶が消費されている事実に仰天したことを思い出す。 飲料用の金属缶は、高度経済成長時期の70年代に入って急増した。
飲料メーカーは、昔ながらのリユース(再使用)びんを、後始末はすべて税金でやってもらえるワンウェイ(使い捨て)容器に切り替えていった。 消費者のほうも、軽くて返却する必要のない容器を好む。
こうして日本は、使い捨て容器の氾濫時代に突入した。 飲料缶は以後もますます増え、2001年(平成12年)現在、スチール缶が106万トン(325億缶)、アルミ缶が28.3万トン(174億缶)で、合計およそ500億缶。
ここ20年で5倍以上に増えたことになるなお昨今、スチール缶は消費量が下降ぎみだけれど、アルミ缶はまだ増加傾向が止まらない。 そのためスチール缶とアルミ缶の個数比も、1980年ごろの4対1から、2対1に近づいた。
アメリカでは飲料缶の90%がアルミ缶になったというが、「鉄は国家なり」の伝統のせいか、日本はまだスチール缶のほうが多い。 ライフスタイルとの関係で興味深いデータがある。
飲料缶の消費量が国ごとにずいぶんちがうところだ。 日本の消費量は、じつにヨーロッパ諸国の合計よりも多い。
砂漠が多くて水も硬いアメリカの国民が缶飲料に走るのはわかるが、山紫水明といわれるくらい水の豊かな日本で缶飲料を好む人がなぜこれほど多いのか、理解に苦しむ。 戦後アメリカの消費型社会にあこがれてライフスタイルを変えてきた姿勢の名残かもしれない。
ガラスびんガラスびんは昔からなじみの深いリユース容器だった。 しかし近年、飲料缶の出現でシェアが大きく落ち込んでいる。

中身を安全に長期保存できるすぐれものの容器でも、いかんせん、缶やペットボトルに比べると重くて割れやすい。 ガラスびん業界も生き残りをかけ、軽量化やプラスチック被覆で割れにくいびんを開発してきたけれど、ペットボトルの出現で決定的なダメージを受け、生産量は年ごとに減っている。
ガラスびんそのものも再使用型(リターナブルびん)から一回切りの使い捨て型(ワンウェイびん)に変わり始め、2000年には総年産量206万トンのうちワンウェイびんが173万トン(84%)も占めた。 リターナブルびんの象徴だったビールびんさえ、いまや販売量で缶が増えびんが50%を切っている。
だが、何度も使えるリターナブルびんは、総合的に見たらほかの容器よりも環境負荷が少ないのである。 そのことを東京大学の安井グループが綿密なLCA(ライフサイクルアナリシス)で明らかにした。
なおこのLCAでは、近未来にはびんのカレット(ガラスくず)使用率が70%、アルミ缶の2次地金使用率が80%になるとみて計算している。 たとえば温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出量でみると、20回再使用するリターナブルびんが一番少なくベストだとわかる。
また、飲料量あたりの価格も、リターナブルびんのほうがワンウェイびんよりおおむね小さい。 ではなぜ、環境面によくて価格も安いリターナブル容器がワンウェイ容器に切り替わるのか?
もちろん消費者が便利だからと使い捨て容器に走った面もあるが、なんといっても、飲料メーカーの費用負担が少なくてすむという要因が大きいのだろう。
使い捨て容器の処理費は自治体が税金でまかなうから、その分メーカーの負担が少なくなる。 ある試算によると、びん一本の処理費は、リターナブルびんが30.3円のところ、ワンウェイびんは資源化費用など含めて41.3円もかかる。

ところが、うち15.4円(回収・保管費用)は自治体が払い、飲料メーカーは25.9円の負担ですむため、いきおいメーカーはワンウェイ型に走る。 容器・包装リサイクル法が制定されたけれど、こうした構図が残っているので、容器はいよいよワンウェイ化に向かう。
ペットボトル飲料用のペット(PET=ポリエチレンテレフタレート)ボトルは、お目見えしてまだ10年そこそこなのに、いまや消費本数はガラスびんや紙パックをはるかに抜いてアルミ缶に迫る勢いだ。 初期はもっぱら醤油など調味料に使い、飲料用は(業界の自主規制もあって)1.5L容器だけだった。
そこに容器・包装リサイクル法ができ、リサイクルするという免罪符のもと、小型のペットボトルが大増殖することになる。 なるほどリサイクルは進んだものの、消費量は増えたから、ごみになるペットボトルも急増した。
皮肉な見かたをすれば、容器・包装リサイクル法がペットボトルごみを増やしたともいえる。 ペットボトル一本のリサイクルには6円かかり、その7割までを自治体が税金で負担している。
またペットボトルは、アルミ缶やガラスびんのようにもとの容器には戻しにくく、スチール缶と同様、ほかの用途にリサイクルせざるをえないし、LCA的にみてもほかの容器より環境負荷が高い。 こんな容器の増殖は、社会システムとしても大問題だと思う。
トレイ・カップ・パック類飲料容器以外の包装材では、食品用トレイやパック類の問題も大きい。 トレイはおもにポリスチレン製で、発泡品と透明品がある。
またカップ、パック類とは、即席ラーメンなどを入れるカップ類や、弁当、卵ケースなどのフタつきプラスチック容器のこと。 こういう容器・包装材が近ごろずいぶん増えてきた。
京都市「家庭ごみ組成調査」の新しいデータでは、ごみ1トンの中にトレイが959個、バッターカップ類が1564個、合わせて2523個あった。 全国の家庭ごみ総量(年に約3300万トン)をかけると、トレイが32(億個、バッターカップ類と合わせたら832億個も出ている勘定になる。

旅館やホテル、レストランなどの排出量も加えれば、年間1000億個にのぼるだろう。 ひとり一目あたりにして2.17個だ。
過剰包装防止を図ってきた。 しかし、野菜類に使うトレイは減らせたものの、ほかの食品に使うカップ・パック類が増えている。
一部のスーパーも白色トレイを店頭回収しているが、食品衛生法などの関係でそのまま再使用するのはむずかしい。 こうした減量対策がとられつつあっても、プラスチック包装材はどんどん増えている。
プラスチック包装材のうち、有料化や課税で話題になっているレジ袋につき、まずは排出の実態を眺めよう。 また京都市の「家庭ごみ細組成調査」にお伺いをたてる。
ここ4年間の平均だと、ごみ1トン中に乾重量で1.6s、枚数で1508枚が出る。 全国の家庭ごみ年間排出量(3300万トン)をかければ、およそ500億枚のレジ袋がごみになる。
もっともこの調査は、(パン屋や雑貨店など)一般商店がくれるプラスチック製の小袋も合算しているため、いわゆるレジ袋(スーパー、コンビニで使うもの)はいくぶん少ないだろう(生産量から見積もると、典型的なレジ袋の消費は年に約400億枚らしい)。

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